カスタム界で広く用いられる輸入製品と同じでは許されない。ロードホッパーの量産車としてのプライドが、スプリンガーフォークの完全自社設計&made in japanを実現させた。真ちゅうフリクションカラーによる減衰効果、長く好調と安全を維持するコの字支持のロッカーピボット部、サスペンションストローク後期に粘りを持たせるバンプラバー、ロードホッパー専用に何セットも試作しながら決定した最適なバネレートなど、カスタム向け部品とは違った見どころをいくつも持つフロントフォークだが、それらのトピック以上に素晴らしいのは、何と言っても日本製ならではの高精度な作り。「真っすぐ走る」「左右とも違和感なく曲がる」という、モーターサイクルとして当たり前のことをきちんと叶えるための取組みがこのフォークを生み出した。
メインレッグのロッカーシャフト支持部をコの字形状に改良。これだけで信頼性と部品のライフが大幅に向上する。
サスペンションとして作動初期はやわらかく、ストローク量が増えるほどに粘りを発揮するのはこのバンプラバーが有効に作用しているから。
自己潤滑作用を持つ真ちゅうを用いたフリクションカラー。カッパーグリスとの組合せで程よい減衰力を生み出している。
スプリンガーのバネレート設定は、テレスコピック型よりも困難。幾度となくトライ&エラーを繰り返しベストなフィーリングを実現している。
Type5は、HD製EVOエンジンを採用。1:1.22という非常にロングストロークなボアストローク比は、このエンジンのキャラクターに深く関係している。ツインカム以降にショートストローク化され少し高回転パワー型に変ったHDエンジンに比べ、圧倒的な低速域からの鼓動感とトルクフルな走り、そして安定したアイドリングが特徴。HDらしさを色濃く残した設計でありながら、生産技術の向上により安心してロングランが可能な信頼性も兼ね備えた、「名機」と呼ぶに相応しいエンジン。
HDのラインナップでは1990年代に姿を消したEVOエンジン。アメリカンモーターサイクルの世界で近年急激に評価を上げているこのEVOを、PLOTでは新品で入手しロードホッパーの心臓として使用している。
細かなところも手を抜かない作りこみ。そのこだわりはフューエルタンク、テールライト、ブレーキホース、ハンドルスイッチなど細部に及び、その集大成がロードホッパーという一台のモーターサイクルとなっている。量産車ではあるが大量生産車ではない。だからこそ許される、コストダウン一辺倒とはちがう視点で見た車両開発。作り手の想いを徹底して詰め込むという開発方針は、マーケティングで生みだされる現代の工業製品にはない独自性あふれる一台を作り出す。
フューエルタンクはアルミ製とし、腐食によるガソリン漏れなどのトラブルを未然に防ぐとともに、車両の軽量化によるロードホッパーの軽快な走りに貢献している。
ガラス製レンズ採用のテールライト。大手メーカー製車両に見られる標準的な樹脂製レンズにはない味わいを醸し出す。
ブレーキホースは、数あるステンメッシュブレーキホースの中でも断トツで信頼性の評価が高い、スウェッジライン。量産車基準に見合う完成度を持つ。
アルミ切削+ブラスト加工で独特の質感を持つハンドルスイッチ。カスタム目的の需要も多いこの部品は、主張しすぎる事なくステアリング周りをシンプルに飾る。